EV充電の基礎知識
EV CHARGING
戸建住宅に家庭用EV充電器を設置するときのポイントとは
戸建住宅に充電器を設置するときのポイントとは?
電気自動車(EV車)の購入を検討するときに、合わせて検討したいのが充電環境です。専用充電器を設置することで、自宅でもエネルギー補給をすることができます。自宅がガソリンステーションならぬ充電ステーションの時代がすぐそこに。戸建住宅において、充電器を設置するときのポイントをご紹介します。
戸建住宅設置ポイント
家庭用電力で簡単に設置できる普通充電器
戸建住宅に充電器を設置する場合、一般の家庭で利用している「単相交流200V」の電力で使用することができる普通充電器(※)の設置が基本となります。充電器には、「コンセントのみ」「壁掛け」「スタンド」などのタイプで分かれているので、駐車場スペースや自動車の利用頻度などを考慮して選ぶといいでしょう。また、充電器には100V用・200V用とありますが、充電時間を短く済ませたいのであれば200Vがおすすめです。
※電気自動車の充電器には、普通充電器と急速充電器があります。詳しくは【2つの充電方法「普通充電」と「急速充電」の違いについて】でご確認ください。
戸建住宅向けの主な普通充電器
コンセントタイプ
電気自動車用のコンセントのみを設置するタイプで、最小限の工事で設置ができます。電気自動車を購入した際、普通充電ケーブルが一般的には装備されているので、このケーブルを充電コンセントに差し込んで充電します。
壁掛けタイプ
壁面に設置するタイプの充電器で、充電ケーブルが搭載されているものがほとんどです。ケーブルが格納できるボックスタイプもあります。
スタンドタイプ
スタンドタイプは自立した充電器です。充電ケーブルが搭載されているものもあれば、コンセントタイプもあります。自動車を複数保有する人に便利な、コンセントユニットが追加設置できるものなどもあります。
電気の契約アンペア(A)を確認
充電器を設置する前に確認しておくべきことがあります。それは、電気の契約アンペアの内容についてです。
主な普通充電器は、電気の出力に約3kW〜6kWを使用します。 「100W=1A、1000W(1kW)=10A ※100Vの場合」として、例えば、契約アンペアが50アンペア(50A)の場合、5000W=5kWが使用できる電力量となります。
家庭でよく使われる電気機器の消費電力の目安は、以下のようになります。
プラズマ テレビ42型 |
インバータ エアコン (10畳平均) |
冷蔵庫450L | 電子レンジ30L | IHジャー 炊飯器 (5.5合・炊飯時) |
ヘア ドライヤー |
---|---|---|---|---|---|
490W | 冷蔵580W | 250W | 1500W | 1300W | 1200W |
4.9A | 5.8A | 2.5A | 15A | 13A | 12A |
※100VWの場合
(参考 https://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere2/ampre03.html)
また、普通充電器での充電には、約4〜8時間かかるといわれています。充電をしている時間帯に、食事の準備や掃除など家事の時間が重なると、電力不足によりブレーカーが落ちてしまう...なんてことが起きるかもしれません。
毎日運転する、週末しか運転しないなどの自動車ライフに合わせて、日常の電気機器の利用状況も考慮して充電器を選ぶことが大切です。現在契約している電力アンペアでは容量不足の場合、契約変更(容量アップ)が必要になる場合があることも想定しておきましょう。
鍵付きなどでトラブル対策を
ガレージタイプの駐車場でシャッターが下りている場合を除き、家族以外の者が充電器に触れることは可能です。気が付いたら電気代が高くなっていた、ある日突然充電器が使えなくなったなど、トラブルを回避するために「いたずら防止」が備わった充電器があります。
小さなお子さんがいる家庭では、充電ケーブルを格納するタイプにする、人通りの多い住宅地では鍵付きにするなど、住宅環境も考慮して充電器を選ぶようにしましょう。
※写真はすべてイメージです。
この記事の監修者
宮尾 魁
第1種電気工事士
宮尾 魁
第1種電気工事士
<保有資格>
第1種電気工事士、2級電気工事施工管理技士
<略歴>
電気工事会社で工事業務を担当し数々の大規模プロジェクトに携わり、高い技術と専門知識を習得。組織内の工事プロジェクトの指揮を執る。革新的な技術や効率的なプロジェクト管理を取り入れる手法は業界内での評価も高い。