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中古の電気自動車(EV)を購入する際の注意点と安く買うコツ

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EVの基礎知識

EV POINTS

電気自動車(EV)は中古でも大丈夫?失敗しない選び方

2021年、菅元総理が施政方針演説で「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」という目標を発表しました。今後ガソリン車が消えていくことが事実上宣言された一方、電気自動車(EV)はガソリン車と比べてまだまだ高額で、消費者にとって手ごろとは言いがたいのが現状です。

そこで選択肢に上がるのが、中古EV。「安いEVって大丈夫?」と不安に感じている方のために、中古EVの後悔しない選び方や、状態のいい中古車を購入するコツなどを紹介します。

中古EVはコスパが低い?高い?

中古EVを購入する最大のメリットは、なんと言ってもその手ごろな価格帯にあります。中古車販売の『カーセンサー』によると、2022年7月現在、新車価格で315万円〜410.7万円の日産「リーフ」(2017年10月〜生産モデル)の中古は、161.7万円〜470.5万円。車種によってはおよそ半額で購入できます(※1)。

もちろん、中古車は価格が安いほど長く使用されていた可能性が高く、バッテリーやパーツの劣化などが顕著です。「より安い車両」を求めてしまうと、経年劣化によるトラブルが起きやすいため注意しましょう。ただし、いくつかの点に注意して状態のいい車両を選べば、中古EVでもコストパフォーマンスの高い買い物ができるはずです。

EVを中古で買う際気をつけたいポイント

EVは基本的な構造がガソリン車と異なるため、中古車選びのポイントも異なります。EVならではの中古車の選び方を知り、中古EVを目利きしましょう。

1.バッテリーの劣化

一般的にEVの寿命は、5〜8年または走行距離10万km程度と言われています。しかし、走行距離が少なくてもバッテリーの劣化は進むため、本来走れるはずの航続距離が走りきれなくなります。

バッテリーのコンディションは、車種によってはパネル上の「セグメント(セグ)」で確認できます。12段階のうち、10程度の数値であれば良好なコンディションだと言えるでしょう。セグメントを確認できない車種の場合は、必ずディーラーに診断してもらいましょう。

2.ブレーキのコンディション

EVが搭載している「回生ブレーキシステム」は、ガソリン車と比較するとブレーキパッドが減りづらい傾向にあります。そのため、ブレーキパッドやローターの点検がされておらず、見た目にはわかりにくいものの、コンディションが良くない中古車も多く出回っています。中古EVを購入する際は、ブレーキ周りの部品が交換されているか、作動に問題ないかをしっかりとチェックしておきましょう。

3.タイヤの減り

EVはバッテリー容量が大きいほど車重が重く、構造上エンジン車よりも発進時の蹴り出しが強いため、タイヤの劣化が早い傾向にあります。中古EVを購入する際は、タイヤの残り溝をチェックするほか、ダンパーにオイルにじみがないかなど、足回りの状態を十分に確認しましょう。

4.充電ケーブルの確認

新車購入の際に搭載されていたはずの充電ケーブルが、前の持ち主によって売られていたり、破損して純正品以外のものに取り替えられていたりする場合があります。購入時はケーブルの有無、純正品であることをしっかりと確認しておきましょう。

中古EVでも補助金はもらえる?

日産「リーフ」

現在、国や自治体は環境に優しいEVの普及を促進する目的で、EV購入者に向けた補助金制度を実施しています。では、これらの制度は中古車を選択した場合でも有効なのでしょうか?

結論から言うと、補助金制度は基本的に新車を対象としており、中古EVは対象となりません。ただし、中古EVでも減税制度を受けることは可能で、『新エコカー減税』や『自動車税グリーン税制』などが条件に応じて適用されます。これらの制度は毎年現税率や条件が更新されるため、購入時に販売店や国土交通省のWEBサイトで詳細を確認しましょう。

エコカー減税 「自動車重量税」に対する減税制度で、燃費基準達成車や達成率に基づいて適用される。
グリーン化特例 「自動車税」「軽自動車税」に対する減税制度で、EVやHV(ハイブリッド)などの環境性能に優れた自動車に対して、性能に応じて適用される。

中古EVを安く買うコツ

EVに限らず、中古自動車は価格とコンディションが反比例し、安ければ安いほどコンディションが悪い状態であることを意味します。ここでは、中古車のメリットである手ごろな価格感を担保しつつ、できるだけ良い状態の中古EVを選ぶため、2つのコツを紹介します。

1.未使用車を狙う

未使用車とは、正確には「登録済未使用車」と呼ばれ、ディラーや中古車販売店が販売実績を作るために新車登録を行った車を指します。車両は多くの場合、自社内で保管したのちに中古車として販売されます。新車と変わらないコンディションで中古の価格設定になっているため、状態のいいEVを破格で購入できる掘り出し物と言えるでしょう。

未使用車はお得な選択肢ですが、どんな店舗でも常に出会える訳ではありません。過去には、コロナ禍や経営不振など、販売実績がふるわない時期ほど多く流通しているため、ニュースで社会情勢やメーカーの経営状態をチェックしておくとよいでしょう。

2.型落ちを待つ

中古EVを安く手に入れるなら、モデルチェンジ直後の型落ちのタイミングがおすすめです。型落ちとは、メーカーがあるモデルを改良してモデルチェンジを行った際、これまで出回っていたベースモデルが古いモデルとなることを指します。

新モデルが登場することで、型落ち車は乗り換えられることが多いため、中古車市場に多く出回ります。流通が増えたモデルは市場価格が下がり、比較的コンディションの良いものでも手に入りやすい価格帯に設定されます。

購入以外の選択肢

日産「リーフ」

新車でEVを選択するのはハードルが高いものの、中古車を選んで失敗したくないと言う方には、購入以外の方法でEVを利用するのがおすすめです。ここではEV選びにどのような選択肢があるのかを紹介します。

サブスクを利用する

近年、車のサブスクリプションサービスを開始するリース会社や自動車メーカーが増えています。トヨタが展開する自動車のサブスクリプションサービス、『KINTO(キント)』は、同社初の量産EV『bZ4X』の取り扱いを開始。申込金77万円のほか、最初の1年〜4年目までは、国の補助金を使うと月額8万8220円〜利用できます。5年目以降は段階的に料金が下がり、10年目からは月額4万8510円〜に。

この料金設定には割高という声も上がっていますが、月額料金にはバッテリー保証や修理代、保険代、自動車税などが含まれています。通常EVを所持する際にかかる維持費は抑えられるでしょう。2022年現在、同サービスはリコールにより新規契約申し込みを停止していますが、今後はEV利用の新たな選択肢を浸透させていくことが予想されます。

カーシェア

ホンダが展開するカーシェアサービス、『HONDA Every Go(ホンダ エブリゴー)』は、ホンダ初となる量産EV『ホンダe』を利用できます。すべての車両が最上級グレードで借りられ、『ホンダe Advance』の料金は15分200円〜。アプリで24時間いつでも借りることができるため、使うときだけ手軽に利用したい人や、EVを短時間お試しで乗ってみたいという人におすすめです。

中古EVはディーラー認定車がおすすめ

中古EVは新車に比べてバッテリーやパーツのトラブルが起きやすいため、長期保証をつけられるディーラー認定車がおすすめです。また、ディーラー系の販売店の場合は、公共の充電スタンドで必要になる会員カードの登録もスムーズです。中古EVに安心して乗りたい人や、諸手続きに自信がない人は、ディーラー認定車を選びましょう。

※掲載情報は全て2022年7月時点のものです。

この記事の監修者

監修者の写真

宮尾 魁

第1種電気工事士

宮尾 魁

第1種電気工事士

<保有資格>

第1種電気工事士、2級電気工事施工管理技士

<略歴>

電気工事会社で工事業務を担当し数々の大規模プロジェクトに携わり、高い技術と専門知識を習得。組織内の工事プロジェクトの指揮を執る。革新的な技術や効率的なプロジェクト管理を取り入れる手法は業界内での評価も高い。

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