EV充電の基礎知識
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EV充電スタンドの使い方は?利用料金や充電時の注意点も紹介!
EV充電スタンドの使い方は?利用料金や充電時の注意点も紹介!
パーキングや大型ショッピング施設、全国各地のサービスエリアや道の駅など、EV(電気自動車)を充電できるスポットが広がっています。日常圏内ではもちろん、旅の途中でも充電施設を探しやすくなり、自宅に充電設備がない人にとっても、EVの利便性はますます高まっていると言えるでしょう。
そこで今回は、公共の充電スタンドの基礎知識や使い方の手順、使用する際の注意点などを解説します。出先でバッテリーが少なくなった際、スムーズに充電できるよう、チェックしてみてください。
充電器の使い方
eMPとは?
現在、国内にある電気自動車充電スタンドは、ほぼ全てが1社によって提供されていることをご存じでしょうか?「e-Mobility Power」(eMP)は2019年、東京電力と中部電力株式会社によって設立された会社。『いつでも、どこでも、誰もがリーズナブルに充電できるサービスの提供と充電インフラの整備・拡充』(※1)を目的に、国内の充電スポットの整備を担ってきました。
同社が提供する充電スポットには「普通充電用」、「急速充電用」、「普通充電と急速充電がどちらもつかえるもの」があります。これらは誰でも利用できるものではなく、あらかじめ登録した充電カードを使い、使用したい充電器でユーザー認証する必要があります。
充電カードの種類
充電カードには、eMPが発行する「e-Mobility Power カード」(eMPカード)のほか、企業や自動車メーカーらが独自にeMPと連携し、発行しているカードなどがあります。eMPカードはメーカー・車種を問わずに利用できますが、各メーカーの充電カードの場合は日産の「ZESP3カード」(ゼロ・エミッションサポートプログラム3カード)を除き、利用を自社ユーザーのみに限定するのが一般的です。
下記は、メーカーや車種を問わずに入会・利用できる代表的な充電カードの例です。
e-Mobility Power 「e-Mobility Power カード」(※1) |
JTB「おでかけCard」 (※2) |
日産「ZESP3カード」 (※3) |
---|---|---|
- 【出典1】
- (※1) e-Mobility Power「充電サービスの概要と会員登録のご案内」
- (※2) おでかけCard
- (※3) NISSAN「ZESP3」
充電スタンドの使い方は?
充電スタンドは下記のような手順で利用できます。
- 指定のスペースに駐車する
- ライトが消えているか確認する
- パワースイッチをOFFにする
- 充電器に掲示された手順に従い充電カードを認証する
- 充電口を開けてコネクターを差し込む
- 自動で充電が始まるのを待つか、開始ボタンを押す
- 車内の充電ランプが点灯していることを確認する
- 掲示された手順に従い充電終了ボタンを押す
- 車内の充電ランプが消灯していることを確認する
- コネクターを外してケーブルを戻す
- 充電口を閉じる
- 車を移動させる
充電スタンドの利用料金は?
eMPの充電スタンドを利用するには、2種類の料金を支払う必要があります。ひとつめは登録している充電カードの月額会員費。そしてもうひとつが、充電する際につど支払う従量の利用料です。
月額会員費や利用料は、カードを発行しているメーカーや利用する充電器の種類によって異なります。さらに、登録するカードの種類によっては登録手数料の支払いを求められる場合もあります。
一般的に自動車メーカーが発行したカードは自社ユーザーへのサービスとして、これらの利用料金が無料、または割安に設定されています。
ここでは、メーカー・車種を問わずに使えるeMPカードの月額利用料と、従量での料金を紹介します(2022年9月時点の情報)。
eMPカードの利用料金
月額費(税込) | 都度利用料金(税込) | 発行手数料 | |
---|---|---|---|
急速充電プラン | 4,180 円 | 急速 16.50 円/分 | 1,540 円 |
普通充電プラン | 1,540 円 | 普通 2.75 円/分 | |
急速・普通併用プラン | 4,620 円 | 急速 16.50 円/分 | |
普通 2.75 円/分 |
現金支払いはできない!
eMPの充電スタンドはおおむね、充電カードを作成する際に登録したクレジットカードから決済されます。その場でのクレジットカード払いや現金払いには対応していないため注意しましょう。
充電カードを忘れたら?
eMPの充電スタンドは、充電カードでユーザー認証しなければ充電ができないシステムです。万が一充電カードを忘れた場合、一部の機種では「ビジター」として一時的に認証できますが、利用料金は割高になってしまうため注意しましょう。
充電スタンドの検索方法
eMPの充電スタンドは、充電スタンドは各自動車メーカーが提供するアプリやカーナビ情報のほか、「専門サイトでの検索」や「一般ユーザー向けのアプリ」などで探すことができます。ここでは、誰でも無料で使えるおすすめの充電スタンド検索サイトやアプリを紹介します。
eMP公式の充電スタンド検索サービス「e-Mobility Power」
eMPが運営する充電スタンド検索サービスです。全国各地のeMPの充電スタンドを網羅しており、住所を入力すると、現在地付近のeMPの充電スタンドが地図上に表示されます。
【出典】e-Mobility Power
ブラウザやアプリで充電スタンドが検索できる「GoGoEV」
全国の充電スタンドが住所や都道府県、施設名などから検索できるほか、地図からも直接検索できます。また、充電器の種類や充電速度別に探すことも可能です。
【出典】GoGoEV
高速道路の充電スタンドに特化したNEXCOの「ドラぷら」
NEXCO東日本が提供する情報サイト「ドラぷら」では、EVの急速充電スタンドがあるサービスエリアを検索できます。高速でのドライブ中に便利です。
【出典】ドラぷら「サービスエリアの施設・サービス紹介 メニュー」
充電スポットを利用時のマナー
eMPの充電スタンドは、公共の充電器は、多くのユーザーが利用するものです。以下のようなマナーに気をつけて利用しましょう。
①使う前の状態に戻す
eMPの充電スタンドは、充電が終わって車を移動する前に、使用した機械を使う前の状態に戻しましょう。特にコネクターーやケーブル類は、なくなってしまうと次の利用者の充電に差し支えます。付属品は必ず決められた位置に戻しましょう。
②急速充電で車を長時間放置しない
充電が終わった車両を放置すると、順番待ちの利用者に迷惑がかかります。充電後はすみやかに移動しましょう。ただし、普通充電は充電終了のタイミングで車を移動させるのが現実的でないため、充電スタンドがある施設に滞在中は駐車したままでも問題ないでしょう。
③「おかわり充電」を控える
急速充電が終了してもバッテリー残量が回復しなかった場合、その場でもう1度充電を繰り返すことを「おかわり充電」と呼びます。急速充電器は混雑しやすいため、次の利用者がいない場合をのぞいて、おかわり充電は控えましょう。
知っておきたい!EV充電時の注意点
EVを充電する際に注意したいポイントを紹介します。
①急速充電器は80%まで
急速充電器で充電をしすぎると、電池の不具合や発火、破裂を引き起こすおそれがあります。そのため、公共の急速充電スタンドでは最大で80%までしか充電ができません。一般的には、80%の充電があれば1日走行しつづけられます。もし、満タンにしたい場合は普通充電用のスタンドか自宅の充電器を利用しましょう。
②充電中に車を離れる際はロック
EVの充電は、急速充電でおよそ30分の時間がかかります。そのため、充電が終わるまでの時間に買い物やトイレ、食事などで車を離れる人も多くみられます。防犯のため、車を出る際には少しの間でも必ず車両にロックをかけましょう。
③30分きっちり充電しなくても良い
eMPが提供する急速充電器は1回につき30分間利用できますが、必ず30分間充電する必要はありません。「100km走って減った分だけ充電するため、10分間だけ利用する」など、残量の状況に合わせて充電時間を調整するのがおすすめです。
マナーを守った充電で快適なドライブを!
EVやPHEVの充電器には、eMPが提供するもの以外にもテスラのユーザーが使える「スパーチャージャー」や自治体や事業者が独自に設置している充電器などがあります。無料で使えるものや現金払いなど、料金形態や使用方法はさまざまなので、充電器ごとに使用方法を確認してください。
近年はEVやPHEVのユーザーが増え、サービスエリアなどの充電スタンドに順番待ちの列がみられることもあります。充電スタンドは貴重な公共インフラなので、お互いにマナーを守り、待ち時間の状況によっては早めに充電を切り上げるなどの思いやりを持って利用してみましょう。
- 【参考】e-Mobility Power
※ 写真はすべてイメージです。
この記事の監修者
宮尾 魁
第1種電気工事士
宮尾 魁
第1種電気工事士
<保有資格>
第1種電気工事士、2級電気工事施工管理技士
<略歴>
電気工事会社で工事業務を担当し数々の大規模プロジェクトに携わり、高い技術と専門知識を習得。組織内の工事プロジェクトの指揮を執る。革新的な技術や効率的なプロジェクト管理を取り入れる手法は業界内での評価も高い。