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ノルウェーでEV(電気自動車)が普及している3つの理由

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EV充電の基礎知識

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電気自動車先進国!?ノルウェーのEV事情を徹底解説!

ヨーロッパ屈指のエネルギー大国、ノルウェー。石油と天然ガスが潤沢な富裕国として知られています。そんなノルウェーがいま、世界で最もEV普及が進んでいると言われていることをご存じでしょうか?

この記事では、ノルウェーのEV普及の状況やその理由、背景にある政府の狙いなど、「EV普及先進国」の秘密をひも解きます。

新車の3分の2をEVが占める「ノルウェー」

2022年にノルウェー道路連盟(OFV)が発表したデータによると、2021年のノルウェーの新車販売台数17万6276台のうち、11万3715台がEV(電気自動車)という結果に。全体の64.5%、およそ3分の2を占めるという驚異的なEV普及率を示しました(※1)。

現在のペースでEVシフトが続けば、ノルウェー政府が目標とする「2025年までのガソリン車の販売終了」がより早く実現すると言われています。

ノルウェーでEVが普及する3つの理由

世界屈指のEV普及率を誇るノルウェー。その背景にあるのは、国民の環境意識の高さだけではありません。ノルウェーのEV普及がここまで進んでいるのには、「強力な推進施策」と「インフラの整備」、「特殊な住宅事情」の3つの理由があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

強力な推進施策

ルウェーでは、EVやPHEVに対する優遇施策が驚くほど充実しています。中でも特に魅力的なのは、税制優遇措置。ガソリン車やディーゼル車に課せられる25%の付加価値税(VAT)がEVを購入する場合に免除されます。

また、EVは公共サービスの利用でも優遇されます。たとえば、高速道路やパーキングスペース、カーフェリーなどの利用料の割引。企業の社用車税の引き下げ。EVのバスレーン走行許可など。

さらには、ガソリン車やディーゼル車が車両の排出ガス量に応じて課される追加料金も、排出ガスを出さないEVなら不要です。

こうした事情から、車体価格が高価なEVでも、ガソリン車より安く所持できるため、ノルウェーの国民や事業者の多くがEVを選択しています。

インフラの整備

ノルウェーでは、EV普及にとって重要な要素である充電インフラの整備も、他国に比べて格段に進んでいます。

ジェトロ(日本貿易振興機構)が2021年に発表した「公共充電施設に関する欧州各国のランキング」データによると、2021年第一四半期時点でノルウェー国内の公共充電施設は19,119ヵ所。公共充電施設1カ所当たりの乗用車登録台数は147という結果に。これは、オランダの109に次ぐ第2位ガソリン車など全ての乗用車を含む数値ではあるものの、1ヵ所あたりの登録台数が少ない国ほど充電施設数が普及しているという見方ができ、ノルウェーの充電インフラの充実度が伺えます。ちなみに、EVの普及に積極的なことで知られるドイツは1.014でした(※2)。

充電インフラが充実していることから、国内の大半はバッテリー切れの心配もなく移動が可能に。さらに、充電施設と併せてEV専用パーキングやEV専用車線などのインフラ全般の整備が進められており、ノルウェーの人々にとってEVシフトが合理的な選択であることがわかります。

特殊な住宅事情

EVのバッテリーに使用されているリチウムイオン電池は寒さに弱く、構造上、暖房を使用することで航続距離に影響するため、寒冷地とEVの相性は悪いとされています。にも関わらず北欧の寒冷地であるノルウェーでEVシフトが成功したのには、特殊な住宅事情が関係していました。

ノルウェーでは一般的なガソリン車にヒーターが搭載されています。これは、寒さでエンジンオイルが固まるのを防ぐためのもので、外部のコンセントから電源を引いて使用します。そのため、ノルウェーの家庭の多くは、車庫に200ボルト以上のコンセントが設置しており、そのコンセントがEVの普通充電用コンセントとしてそのまま使用できたのです。

各家庭に高電圧のコンセントがあったこと、車をコンセントにつなぐ寒冷地ならではのライフスタイルは間違いなく、国民のEVシフトのハードルを下げたと考えられます。

政府によるEV推進の狙いとは?

ノルウェーは、北海沖合に油田やガス田を所持する資源大国。しかし、自国で算出された石油やガスは輸出に回して外貨獲得に利用し、国内での電力需要のほぼすべてを再生可能エネルギーでまかなっています。

その理由のひとつとしてあげられるのは、先細りする化石エネルギーに依存して、将来油田やガス田が枯渇した際、国家存亡に直面することを避けるため。同時に、雪深く山に囲まれたノルウェーの地形が再生可能エネルギーの生産に適していたことから、その利用を促すためでもありました。

化石燃料が高く電気料金が安い

ノルウェー国内で消費される再生可能エネルギーの9割以上をまかなっているのが水力発電。ノルウェーの水力発電は、雪解け水を利用し、水が高いところから落ちるときの位置エネルギーを使って水車を回すことで発電しています。つまり、世界有数の豪雪地帯であり、急しゅんな山々が多いノルウェーにとって、水力発電はもっとも相性の良い発電方法なのです。

水力発電に使われる水は油田やガス田のように枯れることがないため、ノルウェーにとって電力は、無限に利用できる安定したエネルギーと言えます。そのため発電コストが安く抑えられ、電気料金が下がり、EVのランニングコストが安価に抑えられます。

また、ノルウェーは世界屈指の石油輸出国でありながら、政府が対気候変動政策の一環として化石燃料に高額な税金をかけているため、ガソリンや軽油が高額です。こうした事情が重なり、ノルウェー国民にとってEVは現実的な選択肢となったのです。

エネルギーシフトは日本にとっても急務!

ノルウェー政府がEVシフトのために大規模な予算を投入できるのは、油田や天然ガスの輸出によって得たばくだいな資産があるためです。また、ノルウェーの特殊な住宅事情や発電事情も、EV普及に大きな影響を与えています。こうした政策や環境はノルウェーならではのものであり、日本で導入することは難しいのが現実です。

しかし、これまで石油資源を海外からの輸入に頼ってきた日本は、現在、世界情勢の変化によってエネルギー価格に大きな影響を受けています。EVシフト以前の、電力自給率や再生可能エネルギーへの挑戦は今後より大きな課題となり、ノルウェーの方針が大きなヒントになるでしょう。

※写真はすべてイメージです。

この記事の監修者

監修者の写真

宮尾 魁

第1種電気工事士

宮尾 魁

第1種電気工事士

<保有資格>

第1種電気工事士、2級電気工事施工管理技士

<略歴>

電気工事会社で工事業務を担当し数々の大規模プロジェクトに携わり、高い技術と専門知識を習得。組織内の工事プロジェクトの指揮を執る。革新的な技術や効率的なプロジェクト管理を取り入れる手法は業界内での評価も高い。

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