EVの基礎知識
EV POINTS
EV(電気自動車)のメリット・デメリットとは?
EV車を知ろう! メリット・デメリット
実際に目にする機会はまだ少ないものの、耳にする機会が増えた電気自動車(EV車)に関すること。「脱酸素」や「クリーンエネルギー」を実現するために国をあげて“推し”ている電気自動車について、メリットやデメリットをご紹介します。
EV車 メリット・デメリット
EV車のメリット
CO2排出が少ない=環境にやさしい
日本では、CO2排出基準および燃費基準をWell to Wheel(※1)で定めていますが、バッテリーに充電された電動モーターを動力源として走行する100%電気の自動車は、走行中におけるCO2は排出されません。
環境省の資料(※2)によると、2020年に欧州のガソリン車と電気自動車のWell to WheelにおけるGHG(温室効果ガス)排出量を比較したところ、電気自動車は約1/3でした。
やはり電気自動車は環境に、ひいては地球にやさしい次世代自動車といえます。
- ※1 Well to Wheel(2030年度燃費基準)は、ガソリンや電力のエネルギー源の採掘から供給までのエネルギー効率(CO2排出量も含む)の指標のこと。
- ※2 参考 環境省 【2−2】自動車排出量のバウンダリpptx.pdf
走行コストがガソリン車より安い
電気自動車は電気代が高そう...というイメージから購入を迷う方も多いようですが、走行コストをガソリン車と比較してみると、実は電気自動車の方が“燃費がいい”という見方ができます。
特に日常的に運転するのであれば、電気自動車はお財布にやさしい次世代自動車です。
詳しくは、走行コストについて試算した【比べてみよう! EV車 vs ガソリン車】をご覧ください。
乗り心地、走り心地がバツグン
次世代自動車振興センターがEV・PHV保有世帯にアンケート調査(※3)した車の性能について、「静粛性」では75.7%が満足し、「走行性能」では57.6%が満足と回答していました。
試乗車レポートや電気自動車に関する雑誌などにも、走行時の快適さにとても満足している様子が散見してみられます。
ガソリン車特有の匂いもなく、アクセルを踏んだ瞬間の発進も滑らかなようなので、運転手も同乗者も快適に乗ることができます。
自宅で燃料補給できる
ガソリンスタンドに行くことを後回しにして、“ガス欠寸前”に冷や冷やした経験はないですか。電気自動車は、自宅やビルなどに充電スタンドを設置することで、駐車時間を活用して燃料補給が行えます。
充電設備は「普通充電器」「急速充電器」と大きく2種類あり、一般家庭向きの普通受電設備で充電した場合、電力出力が大きいものであれば約8時間で満充電となります。夜間充電をしておけば、よく朝には満タンです。
また、電気自動車特有の機能として「受電機能(※車種による)」があり、「V2H」という充電設備を設置することで、電気自動車のバッテリーに充電した電気を家に供給することができます。気になる方は、【EV車は災害時の救世主!?︎ その理由とは】をご覧ください。
EV車のデメリット
国産EV車が少なく価格が高い
電気自動車の普及は欧州など海外の方が活発なため、車種も海外メーカーの方が多く販売されています。国内メーカーも追随するように、新たに電気自動車をリリースしていますが、選り好みができるほどではありません。
また、ガソリン車と比べて電気自動車は車両本体価格が高いことも購入をためらう懸念材料の一つに挙げられます。けれども、現在政府は「車の電動化」を推進しているため、補助金などのサポートが充実しています。
国内メーカーの電気自動車が増えて、価格も安定すると今度は国の補助金が下がるかもしれませんので、このデメリットは購入時期の見極めが必要そうです。
充電スポットが少なく、インフラ整備が道半ば
2022年3月現在、ゼンリン調べでは全国に約3万基の充電スタンドが設置されているそうです。とはいえ、街中を走行している時に充電スポットを示す青い案内サイン「CHARGING POINT」を見かけることはほとんどないのが実状です。
公共スペース含め、充電インフラの整備が電気自動車の普及率アップの鍵ともいえるため、国は充電設備補助金制度を設け、2030年までには15万基の導入を目標としています。
※ 写真はすべてイメージです。
この記事の監修者
宮尾 魁
第1種電気工事士
宮尾 魁
第1種電気工事士
<保有資格>
第1種電気工事士、2級電気工事施工管理技士
<略歴>
電気工事会社で工事業務を担当し数々の大規模プロジェクトに携わり、高い技術と専門知識を習得。組織内の工事プロジェクトの指揮を執る。革新的な技術や効率的なプロジェクト管理を取り入れる手法は業界内での評価も高い。
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