お役立ち情報
KNOWLEDGE
超小型EVの種類は?メリット・デメリットや注目モデルを紹介
超小型EVの種類を知ろう!
注目のモデルやマイクロモビリティを紹介
いま、EV(電気自動車)を小型化した電動モビリティが進化しています。小型化したEVはより多様なライフスタイルに寄り添い、人々の暮らしを便利にするだけでなく、CO2の削減に大きく貢献することが期待されています。
今回は、「超小型EV」と呼ばれるEVの特徴や、国内で販売されている超小型EV、自動車以外の小型電動モビリティを紹介します。
超小型EVの種類
超小型EVは、軽自動車よりも小さい「ミニカー(第一種原動機付自転車)」と軽自動車に属する「超小型モビリティ」に分類され、このうち「超小型モビリティ」は「型式指定車」と「認定車」の2種類に区分されます。「道路運送車両法施行規則」によると、それぞれの規格は以下のとおりです。
国土交通省の定める超小型モビリティの分類と定義
軽自動車 | |||
---|---|---|---|
種類 | ミニカー | 超小型モビリティ(型式指定車) | |
サイズ | 長さ・2.5m以下幅・1.3m以下高さ・2,0m以下 | 長さ・2.5m以下幅・1.3m以下高さ・2,0m以下 | 長さ・3.4m以下幅・1.48m以下高さ・2,0m以下 |
出力 | 0.6kW以下 | 0,6kW超 | 0.6kW〜8.0kW |
最高速度 | 法律上60km/h | 構造上60km/h | 個別に制限 |
ミニカー
超小型モビリティのうち、第一種原動機付自転車の満たすべき定格出力・大きさ等を満たしているもの。
超小型モビリティ(型式指定車)
超小型モビリティのうち、原動機付自転車の大きさ以下の軽自動車であって、最高時速60km以下の自動車のうち、高速自動車国道等において運行しないものが該当。
この区分の超小型モビリティには、最高時速60km以下の車両であることを車両後面の見やすい位置に表示する必要がある。
超小型モビリティ(認定車)
超小型モビリティのうち、認定制度によって認定されたもの。大きさ、性能に対する条件のほか、(1)高速道路等は運行しないこと、(2)交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行すること、等の条件を付すことで公道走行が可能。
走行区分について
これらの超小型EVは、いずれも公道を走行できますが、高速道路は走れません。さらに「超小型モビリティ(認定車)」においては、走行に当たって「交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行すること」という条件があります(※1)。
車検について
ミニカー
ミニカーは道路交通法上では普通自動車に区分されますが、規格上は原付と同じ扱いになるため、車検が不要です。
超小型モビリティ(型式指定車)/超小型モビリティ(認定車)
軽自動車に分類され、新車の場合は3年に1度、継続検査の場合は2年に1度の車検が必要です。
超小型EVのメリット・デメリット
超小型モビリティの最大のメリットは、小回りがきいて誰にでも運転しやすい点です。その特性を生かし、これまでに離島での配送業務や観光エリア内の近距離移動、通勤用カーシェアリングなど、さまざまなサービス・事業に活用されてきました。
一方で、超小型モビリティに該当する車両に速度制限があり、高速道路を走れないというデメリットもあります。また、EVの場合は航続距離が長くないため、長距離の移動には不向きです。
「自宅から通勤駅までの間」や「徒歩で行くには遠い場所」など、超小型モビリティに適した日常の生活圏内で活用するのがおすすめです。
- メリット
-
- ・小回りがきく
- ・駐車スペースを取らない
- ・運転しやすい
- デメリット
-
- ・高速道路を走れない
- ・航続距離は短め
国内の超小型EV
現在国内で一般販売されている超小型EVと、今後販売予定の超小型EVの特徴やスペックを紹介します。
アップル「e-Apple」
- 【出典】e-Apple
中国のEVメーカー・JIAYUAN社製の超小型モビリティ。日本では、中古車買取・販売を行うアップルから発売されています。コンパクトな1人乗りながら、後部座席にはリヤスペース、運転席横にはサイドスペースがあるなど、荷物が増えても安心の広々設計が特長です。家庭のAC100V電源で充電可能。4〜6時間で充電が完了し、満充電で約80〜120Kmの距離を走れます。鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの2種類から選べます。
規格 | ミニカー |
---|---|
定員 | 1名 |
ボディサイズ | 全長2245mm×全幅1290mm×全高1570mm |
航続距離 | 80km(鉛バッテリー) |
120km(リチウムイオンバッテリー) | |
最高速度 | 55km/h |
トヨタ「コムス」
- 【出典】コムス COMS
トヨタ車体が生産・販売するミニカー規格の超小型EV。AC100Vの家庭用コンセントで充電可能です。約6時間の充電で、57km〜102kmを走行。買い物や通勤などの街乗りを想定した『P・COM』、営業活動や宅配など、業務用を想定した『B・COM』の2モデルで展開しています。さらに『B・COM』は運転席後部の形で「ベーシック」、「デッキ」、「デリバリー」の3種類から、事業のニーズに合わせて選択できます。
規格 | ミニカー |
---|---|
定員 | 1名 |
ボディサイズ | 全長2395mm×全幅1095mm×全高1500mm(P・COM) |
航続距離 | 57km(JC08モード相当での走行パターンによる自社測定値) |
102km (30km/h定地走行テスト値/国土交通省届出値) | |
最高速度 | 60km/h |
タジマモーター「タジマ・ジャイアン」
- 【出典】TAJIMA
田島モーターによる2人乗りの超小型EV。鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの2種類から選択でき、6〜8時間の満充電でそれぞれ90km〜130km走行可能です。乗用モデルのほか、オープンカーゴデッキを備え、近距離の輸送・デリバリーに最適化した「ピックアップトラック」、カーゴルームに2方向からアクセス可能な「デリバリーバン」がラインアップされています。
規格 | 超小型モビリティ(認定車) |
---|---|
定員 | 2名 |
ボディサイズ | 全長2545×全幅1290mm×全高1570mm |
航続距離 | 約90km(鉛バッテリー) |
約130km(リチウムイオンバッテリー) | |
最高速度 | 45km/h |
出光タジマEV「ideta(イデタ)」
- 【出典】idemitsu
出光興産とタジマモーターが次世代モビリティ開発事業を行う「出光タジマEV」が、2022年中の発売を予定している超小型EV。家庭用のAC100Vコンセントで充電ができ、満充電で約100km程度の走行が可能です。また、超小型モビリティでは珍しい、4人乗りを実現。車両の販売だけでなく、カーシェアやサブスクサービス、自動車リサイクルシステムの創出なども予定されています。
規格 | 超小型モビリティ(型式指定車) |
---|---|
定員 | 4名 |
ボディサイズ | 全長2495×全幅1295×全高1765mm |
航続距離 | 約100km |
最高速度 | 60km/h以下 |
自動車以外のマイクロモビリティも
超小型モビリティはマイクロモビリティとも呼ばれ、超小型EVのほか、電動キックボード、電動バイクなどがあります。ここでは、電気の力で走行する自動車以外の超小型モビリティを紹介します。
【電動キックボード】Sunameri(スナメリ)2021
- 【出典】フヂイエンヂニアリング
レーシングカーなどの製造・販売を手がける『フヂイエンヂニアリング』が開発した3輪の電動キックボード。体重の移動によって左右に曲がることができ、これまでにない直感的な操作性を実現しました。ミニカー区分のため、走行にはヘルメット不要。折りたたみ可能で車のトランクにも積み込めます。
【電動バイク】GFR-02
- 【出典】glafit
家庭で気軽に充電できるコンパクト電動バイク。独自開発のモビチェンをつけることでバイクモードと自転車モードを切り替えて使えるという画期的なモデルです。2~3時間の充電で最大34km走行可能。自転車の駐輪所が利用できるだけでなく、折り畳みができ原付よりもコンパクトなので、駐車スペースをとりません。車のトランクに積んだり、輪行したりとライフスタイルに応じてさまざまな使い方ができます。
区分 | 原動機付自転車 |
---|---|
定員 | 1名 |
ボディサイズ | 全長1,280×全幅535×全高1040mm |
折りたたみ時:全長750×全幅500×全高600mm | |
航続距離 | |
最高速度 |
電動マイクロモビリティに注目!
カーボンニュートラル達成に向けた次世代の移動手段として、EVの普及と同時に進化を見せるマイクロモビリティ。今後、MaaSやシェアリングエコノミーの推進における重要な要素として、活用の幅が広がっていくことでしょう。
※ 写真はすべてイメージです。
この記事の監修者
宮尾 魁
第1種電気工事士
宮尾 魁
第1種電気工事士
<保有資格>
第1種電気工事士、2級電気工事施工管理技士
<略歴>
電気工事会社で工事業務を担当し数々の大規模プロジェクトに携わり、高い技術と専門知識を習得。組織内の工事プロジェクトの指揮を執る。革新的な技術や効率的なプロジェクト管理を取り入れる手法は業界内での評価も高い。